EBM時代の生薬・方剤の使い方 [第3回・生薬編]
釣藤と血管
矢野 眞吾
1
1千葉大学大学院薬学研究院薬物治療学研究室
pp.251-254
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101124
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釣藤は『名医別録』に下品として収載されている植物である.生薬としては釣藤の鈎棘(トゲの部分)を乾燥して用い,釣藤鈎とよばれる.釣藤はトウカギカズラUncaria sinensis(Oliv.)Havil.やカギカズラUncaria rhynchophylla(Miq.)Jacksonの植物が当てられる.日本産はカギカズラである.
釣藤鈎はめまい,頭痛,のぼせ,精神興奮症状,心悸亢進,高血圧などの症状に用いる漢方処方に配合されている.高血圧の随伴症状には,めまい,頭痛があり,これらの症状は血圧がコントロールされることにより,症状が軽減される可能性がある.釣藤鈎にはアルカロイドが多く含まれ,種々の薬理作用が報告されている.血管に対する作用を中心に釣藤(鈎)の薬理作用を紹介するが,降圧作用に関連する作用もこれらの紹介のなかに含める.
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