レビューでわかる! いまどき診療エビデンス[19]
高齢者の疼痛管理は適切になされているか?
大瀬戸 清茂
1
1NTT東日本関東病院ペインクリニック科
pp.434-438
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100946
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高齢者の痛みは,中枢から脊髄,末梢神経に至る部分で何らかの障害を受けた場合に,痛みを起こすと考えられる.また青壮年に比べて,身体的な,または精神的な脆弱化が起こり,同量の薬物に対しても反応が強くなることが多く,用量や服薬方法について慎重に検討する必要がある.
そのため,ペインクリニックで行われる薬物療法も慎重に処方し,神経ブロックを施行する場合もはじめは侵襲が少なく,低濃度の局所麻酔薬使用から行うことを原則にしている.しかし,症状が軽減しない時は,注意しつつも思い切って治療して,患者のQOLを早期に改善して,病悩期間をいかに短くするかが重要になる.とくに,神経ブロックの利点は,それぞれ神経の痛みに対応した部位への治療が可能であり,この治療がもっと利用されることにより病悩期間を短縮することができると考えている.
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