特集 医師と法律 トラブル防止の心得と対策
【ケーススタディ】
④診断書をめぐるトラブル
長野 展久
1
1東京海上日動メディカルサービス
キーワード:
診断書
,
公文書
,
私文書
,
損害賠償
Keyword:
診断書
,
公文書
,
私文書
,
損害賠償
pp.412-414
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100940
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診断書は公文書か?
日常診療で作成する診断書は,一般的には公文書と認識されがちであるが,厳密にいうと「公務所,公務員がその職務上作成する文書」が公文書である.つまり,公務員が作成する書類はすべて公文書となる一方で,一般病院に勤務する公務員以外の医師が作成する書類は公文書とはならず,保険会社へ提出する診断書の類は刑法上の処罰対象とはならない(ただし公務所へ提出する診断書などについては,公務員でなくとも公文書と同じ扱いを受けることになる).
診断書作成をめぐって刑事事件にまで発展するケースはきわめて稀であるが(J1),問題ありとは知りつつも,「つい」作成してしまった診断書のために起訴される危険性は常にある.ちなみに,1971年から2005年までで文書偽造で行政処分(医業停止命令)を受けた医師は17名であった3).
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