特集 いま日常診療で注目すべき原虫症・寄生虫症
マラリア(バベシア症を含む)
大友 弘士
1
1東京慈恵会医科大学熱帯医学研究部
キーワード:
マラリア
,
熱発作
,
貧血
,
脾腫
Keyword:
マラリア
,
熱発作
,
貧血
,
脾腫
pp.208-210
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100554
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Case
2種のマラリアに混合感染した30歳女性
患 者:30歳,女性.
既往歴:とくになし.
家族歴:とくになし.
現病歴:約10日間のアフリカへの観光旅行から帰国後,5日目に頭痛,食欲不振とともに突然高熱を発し,大学病院で熱帯熱マラリアと診断され,直ちにメファキン(R)を投与されて軽快,退院した.しかし,退院30日目に再び悪寒戦慄を伴う高熱を発し,今度は三日熱マラリアと診断され,クロロキン(R)とプリマキン(R)による治療により軽快した.これは混合感染して,潜伏期の長い三日熱マラリアがあとで発症した例である.
疫 学
マラリア(J1)はハマダラカ(J2)媒介性,バベシア症はマダニ媒介性の,ともに胞子虫綱に分類される赤血球内寄生原虫による急性疾患である.
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