特集 ズバッと答える臨床知識 学生・患者に説明できますか?
治療・薬の疑問
解熱薬でなぜ熱が下がるの?
川村 由季子
1
,
野田 幸裕
1
1名城大学薬学部病態解析学
キーワード:
発熱
,
プロスタグランジンE2
,
解熱
,
体温調節中枢
Keyword:
発熱
,
プロスタグランジンE2
,
解熱
,
体温調節中枢
pp.924-926
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100460
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発熱の機序1,2) ヒトの体温は脳の視床下部にある体温調節中枢によって維持・調節されている.ヒトの正常体温(36.9±0.3℃)は外部環境に関係なく,前視床下部の正中線付近にある熱放散の中枢と後視床下部にある熱産生の中枢のバランスによって保たれている.ヒトの正常体温調節レベル(セットポイント)が,高いレベルにずれて体温が高くなった状態を発熱という.
発熱の原因は主に3つあり,①体温中枢に何らかの病変(脳炎や脳腫瘍など)が起こり,温度設定が高くなって発熱を起こす中枢性発熱,②熱放散の障害(熱射病など)により熱の放散が抑制されるため体温が上昇して起こる発熱,③発熱物質が体温中枢に作用して起こる発熱がある.
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