特集 眼のみかた
発熱患者で眼底をみるべき時―一般臨床における発熱患者の診療と眼底診察
木村 磨
1
,
鄭 東孝
1
1東京医療センター総合診療科
キーワード:
眼底診察
,
ぶどう膜炎
,
眼内炎
,
赤眼
,
網膜静脈拍動
,
眼科コンサルト
Keyword:
眼底診察
,
ぶどう膜炎
,
眼内炎
,
赤眼
,
網膜静脈拍動
,
眼科コンサルト
pp.32-37
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100032
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Case
クレブシエラによる敗血症で眼内炎を呈した75歳の女性
既往歴:高血圧にて内服中.
現病歴:12月31日より発熱が出現し,1月2日,某病院を受診.身体所見上のCVA tendernessや尿所見より,尿路感染症と診断され,抗生物質の投与が開始された.その後も解熱せず,1月6日に施行の血液培養からKlebsiella pneumoniaeが検出され,同院へ入院し抗生物質cefozopranが開始された.しかし,発熱は持続し,腹部エコーにて肝膿瘍を疑わせるlow echoic massが認められたため,1月14日,当院総合診療科へ転院となった.来院時,発熱37.8℃,右上腹部の圧痛を認め,両側の腸腰筋徴候は陽性であった.入院後に施行した腹部造影CTにて多発性肝膿瘍,両側の腸腰筋膿瘍が認められ,抗生物質panipenem/betamipronの投与が開始された.
また,入院時に左眼の充血を認め,患者に確認したところ,1月12日頃より左眼痛を自覚していた.直ちに眼科医へコンサルトし,左眼内炎と診断され,局所の抗生物質投与も開始した.しかし,眼内炎は増悪し,1月17日,左眼球内容除去術が施行された.
眼の術後経過は良好で,肝膿瘍に対する経皮経肝的ドレナージと,6週間の抗生物質投与にて軽快し,退院となった.
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