Japanese
English
手術手技 難しい手術
前立腺手術後の尿失禁に対する尿道吊り上げ術
Urethral Sling Operation for Postprostatectomy Incontinence
小川 秋實
1
Akimi Ogawa
1
1信州大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Shinshu University School of Medicine
pp.479-484
発行日 1990年6月20日
Published Date 1990/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904629
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前立腺肥大症に対するTURあるいは開放前立腺摘出術の術後に生じた尿失禁のうち保存的治療法で改善しないものは手術的治療の適応である.各種の方法が提唱されているが,筆者は筋膜を用いて尿道球部を吊り上げる方法を行っている.用いる筋膜は,腹直筋筋膜でも大腿筋膜でもよいが,後者の方が抗張力が強いので,これを多く用いている.この手術の手技上の問題点は,吊り上げる強さをどの程度にするかである.一応の目安を示すが,未経験者は困惑するかもしれない.吊り上げ程度が不十分になりやすいので,やや強すぎると感じる程度にするとよい.この手術は,根治的前立腺全摘出術後の尿失禁に対しても行っているが,前立腺肥大症の場合と異なり,成績が劣る.なお,女性の腹圧性尿失禁に対してもこの手技に準じた方法を好んで用いている.
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