増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅳ.術後合併症とその管理
3.呼吸器系
気胸
安士 正裕
1
,
村石 修
1
Masahiro Yashi
1
1自治医科大学泌尿器科
pp.270-272
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903231
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1 はじめに
腎臓や副腎を対象とする泌尿器科手術においては,その解剖学的位置関係から,左右での腎周囲臓器および大血管系の損傷のほか,胸膜損傷および横隔膜損傷を十分に考慮する必要がある。
大まかな局所解剖として,腎臓は横隔膜の直下にあり,腎臓の上1/3の後面には横隔膜の筋線維が肥厚した弓状靱帯が存在すること,腎後面から外側にかけての肋骨胸膜の下縁は第12肋骨起始部下縁から始まり,11肋骨中央付近の高さで交叉することを常に意識して,腎,副腎の手術を行うべきと考えられる(図1)1)。つまり,第11肋骨はもちろんのこと,12肋骨の内側またはこれより上位に操作が及ぶ手術の際には,胸膜穿孔の危険性がある。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.