増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
4.先天異常
(1)腎臓
回転異常腎
田村 麻子
1
,
真下 節夫
2
Asako Tamura
1
1北里大学医学部泌尿器科
2延岡クリニック
pp.213-215
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902591
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1 はじめに
腎は発生学的に胎生第4〜5週に総排泄腔に近い部の中腎管より出芽する尿管芽より発生する。そのため,腎ははじめ下位腰部から仙骨部に位置する。当初,腎盂は前方に向いているが,成長に伴って頭側に移動するとともに胎生第8週には90度回転し,胎生第12週頃には後腹膜腔に到達する(図1)。
正常の腎の回転は,尾側からみて左腎では時計回り,右腎では反時計回りで,腎門部が内方になる位置に固定する(図2)。腎の回転異常は骨盤腎・融合腎・馬蹄鉄腎に合併することが多いが,回転異常腎では腎の融合はなく回転の異常のみをもち,位置の異常を伴わないものをいう。片側性のことが多いが,両側性のこともある。回転異常のタイプとしては回転が不十分なもの,過剰回転,逆回転がある(図3)。
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