小さな工夫
チェーン膀胱尿道造影時に使用するチェーン留置セット
山口 聡
1
,
八竹 直
1
1旭川医科大学泌尿器科
pp.604-605
発行日 1997年7月20日
Published Date 1997/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902117
- 有料閲覧
- 文献概要
女性の腹圧性尿失禁のタイプ分類には,チェーンを使用した膀胱尿道造影が必須で,後部尿道膀胱角や上部尿道傾斜角の測定は,治療方法の決定や治療効果の判定をするうえで重要である。尿道から膀胱内へのチェーンの留置法には決まったものがなく,諸施設で様々な方法が用いられているようである。これまで市販キットを利用する方法1)や,耳鼻科用鑷子で膀胱内にチェーンを誘導する方法2)が報告されているが,それぞれ長所,短所を有している。
市販キットは操作性に優れているが,チェーンが細径のため,骨陰影が重なる側面像ではしばしばチェーンが明瞭に描出されないことがある。またディスポーサブル器具のため,その経済性にも問題がある。一方,鑷子利用法は非常に簡便な方法であるが,膀胱内に安定してチェーンを誘導することは難しく,操作中に尿道粘膜面を損傷する可能性が高い。これらの問題を解決すべく,筆者らは以下の器具を考案し,種々の改良を加えてきた。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.