増刊号特集 前立腺疾患'96
トピックス
経尿道的前立腺電気蒸散術
河野 学
1
,
安本 亮二
1
Manabu Kawano
1
1大阪市立十三市民病院泌尿器科
キーワード:
前立腺肥大症
,
経尿道的治療
Keyword:
前立腺肥大症
,
経尿道的治療
pp.272
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901785
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TUR-Pの切除用ループのかわりに図に示したような溝のあるローラーを用いて,前立腺組織を蒸散することができる。蒸散の方法はほぼTUR-Pと同様の感覚で行うことができ,治療効果もほぼTUR-Pと同様である。その利点は従来のTUR-Pの手技にて行いうること,灌流液の吸収や出血が少ないこと,レーザー発生装置が不要で従来の電気メスの装置でよい(250ワット以上出る装置でなければならない)などが挙げられる。短所としてはTUR-Pの切除に比べ前立腺組織の蒸散に時間がかかり,あまり大きな前立腺には適さないこと,前立腺組織が採れず組織学的検討が不十分なこと,従来のTUR-Pの切除手術セットにはこの新しいローラーループはそのままでは取り付けられないので別にこの治療用に新しく内視鏡セットを購入しなければならないこと(一部は従来のTUR-Pセットに使えるものもある)などが挙げられる。前述した短所が改善されれば,今後この方法はTUR-Pに並びうる方法として広く行われるものと思われる。
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