増刊号特集 前立腺疾患'96
前立腺癌
治療法の選択と予後
QOLからみた治療をめぐるControversy
島崎 淳
1
,
秋元 晋
1
,
赤倉 功一郎
1
Jun Shimazaki
1
1千葉大学医学部泌尿器科
キーワード:
前立腺癌
,
生活の質
Keyword:
前立腺癌
,
生活の質
pp.184-189
発行日 1996年3月30日
Published Date 1996/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901757
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はじめに
Quality of Life(QOL,生活の質)は個人的な満足度または幸福感であるが,がん患者についていえば疾患による影響,治療による影響,この両者による社会的立場への影響などが加わり,特別のものとなる。がんの治療においてQOLを評価し,各種の治療法の選択にQOLの高いものがよいとされるようになり,1990年頃よりがん化学療法について適用されだした1〜3)。患者に質問様式で解答を求めることにより医療側が分析するが,がん患者について共通な作業能力,人間関係,心理状態,身体状態,医療への満足度といった項目とともに疾患または症状に関係するもの,治療法たとえば薬物に特異的なもの,などを加えて質問が改良されている。解答についても当初は"はい","いいえ"の2段階であったものが5段階評価がとられるようになり,比較がしやすくなった。評価は経時的な検討に用いられることが重要である。
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