Coffee break
学会スライド作成の今昔(いまむかし)
那須 保友
pp.141
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901462
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学術発表の良否はその内容で決まるものであり,もちろんスライドの良否によって左右されるべきものではない。しかし,昨今の状況をみるといちがいにもそうとはいえず,スライドの出来栄えも発表に対する評価の対象の一つとなっているようである。
小生が入局した頃はスライドと言えば白黒スライド,もしくはブルースライドであり,しかも普通は手書き原稿であり,達筆な同僚を羨ましく思ったものである。写植による原稿は高額の費用を要する為めったに用いることがなかった。昭和55年頃,パソコンの登場によりワープロを用いた原稿を使用するようになった。乱筆の小生としてはすぐに飛びついたが,初期の頃はプリンターのドット数が少なく,映写すると文字のアウトラインのデコボコが目立ちワープロに批判的な上司より嫌味を言われたものである。しばらく経つとパソコン全盛時代となり手書きのスライドは消滅した。しかしこれもせいぜい字の大きさ,アンダーラインなどで表現方法に変化を付けるのみで,表現力と言う点で制限があった。ところがこの頃すでに米国ではパソコンを用いたカラースライドが普及していた。Machintosh等を使用したグラフィックソフトを用いてカラースライドを作成していたのである。achintoshが低価格となり一般に普及するにつれて国内の学会でもカラースライドを見かけるようになったのがここ2,3年のことである。
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