講座 症候からみた腹部エコー検査のこつ
鑑別のポイントと描出のテクニック
血尿
秋山 隆弘
1
,
尾上 篤志
2
1近畿大学医学部堺病院泌尿器科
2長寿クリニック超音波室
pp.861-867
発行日 2005年11月15日
Published Date 2005/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100091
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はじめに
血尿という症候は,腹部エコー検査による消化器疾患の診断を中心とする本特集の中では,“鑑別すべき他臓器疾患”由来という位置付けになる.しかし腹部エコー検査を依頼された立場,あるいは診断にあたる臨床医としては,消化器疾患以外の腎・尿路疾患,生殖器疾患など他臓器疾患は知りません,と切り離して別個に扱う訳にはいかない.言い換えると,血尿を呈する疾患や婦人科疾患の知識なしに腹部エコー検査を行うことは,ある意味で“危険きわまりない行為”ともなりかねない.そこで,血尿という主訴をもつ患者のエコー検査にあたる際に,どのような疾患を念頭に置いておかなければならないかという観点で,以下に臨床の実際的な視点から検査のコツを述べてみたい.
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