増刊号特集 泌尿器科病棟マニュアル—ベッドサイドの検査と処置・私はこうしている
ベッドサイド検査の実際
内分泌検査の実際
北村 雅哉
1
,
松宮 清美
2
,
並木 幹夫
2
1健保連大阪中央病院泌尿器科
2大阪大学医学部泌尿器科学教室
pp.19-23
発行日 1995年3月30日
Published Date 1995/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901417
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生体内での内分泌機構は一般に図1のようにnegative feedbackによって制御されている。内分泌検査はその意味するところを十分に理解することが肝要で,図2にその一般的概念を示した。すなわち,上位器官の不全では上位,下位のホルモンとも低値を取るが,下位器官の不全では下位ホルモンは低値となるが上位ホルモンはnegative feedbackにより高値となる。癌などで自律性分泌が上位器官に生じた場合は上位,下位ホルモンとも高値となるが,下位器官に自律性分泌が生じた場合は上位ホルモンはnegative feedbackにより低値をとる。ただし,実際の生体の内分泌環境はこれほど単純ではなく,特に負荷試験の正確な評価は内分泌専門医と相談したうえでなされることが望ましい。
本稿では視床下部,下垂体,副腎,精巣,副甲状腺の内分泌学的環境とその検査法について概説するが,実際の診療で良く用いられる検査を主に解説し,特殊な負荷試験等の詳細は成書を参照されたい。なお,正常値は成人男性の参考値であるので各施設での正常値を参照されたい。
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