増刊号特集 小児泌尿器科診療
治療の実際
Endopyelotomy
小野 佳成
1
,
大島 伸一
2
1小牧市民病院泌尿器科
2社会保険中京病院泌尿器科
pp.162-167
発行日 1994年3月30日
Published Date 1994/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901174
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
腎盂尿管移行部狭窄症や上部尿管狭窄症による水腎症に対しては従来開腹手術による腎盂形成術が行われてきた。腎盂形成術には病変部を切除するAnderson-Hyness法,拡張した腎盂の一部をflap状にして病変部の拡張を図るY-V形成法やCulp法,また,狭窄部を切開,開放し適当な太さのステントを留置し,切開部でステントの周囲に粘膜,筋層—尿管壁の増殖を図り,狭窄部の拡張をするDavis法がある。手術成績は術式により多少異なるが,85〜90%と報告されている。小児においても同様の成績が報告されている。
本稿で述べるendopyelotomy,endopyeloureterotomyは,経皮的に作製した腎瘻から腎盂へ挿入した内視鏡により,腎盂尿管移行部から上部尿管の狭窄部を切開し,ステントを留置して切開部に尿管壁の増生を図る方法である。基本的には開腹手術のDavis法と同じ方法であり,経皮的腎盂切開術,経皮的腎盂尿管切開術といわれる。本手術は1980年代前半からイギリスのWickmanら1),ドイツのKorthら2)によって開始され,アメリカ合衆国のSmithら3),Claymanら,本邦では田島ら5),筆者ら6)によってなされている。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.