増刊号特集 泌尿器科医のための臨床超音波マニュアル
3 膀胱 B 鑑別のための診断のポイント
中村 昌平
1
1自治医科大学泌尿器科学教室
pp.56-67
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900718
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1 膀胱の壁構造
膀胱壁は,筋層と薄い粘膜層から構成される。正常の粘膜層は,薄いため超音波で描出されないと考えられる。粘膜層は浮腫で厚くなると見えてくる。
膀胱は,蓄尿と排尿の機能をもつ,きわめて単純な臓器であるが,膀胱三角部や,尿管の膀胱壁貫通,前立腺の突出など,留意すべきいくつかの特殊構造がある。最近超音波断層像の分解能の向上により,従来では問題にならなかったこのような構造の解釈が問題になることがある。膀胱三角部の像が,腫瘍や,粘膜浮腫とまぎらわしい印象を与えることは少なくない。
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