Japanese
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講座 泌尿器手術に必要な局所解剖・30
睾丸(精巣)(2)
Testis (2)
佐藤 達夫
1
Tatsuo Sato
1
1東京医科歯科大学解剖学第2講座
1Second Department of Anatomy, Faculty of Medicine Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
泌尿器手術
,
局所解剖
,
睾丸(精巣)
Keyword:
泌尿器手術
,
局所解剖
,
睾丸(精巣)
pp.929-936
発行日 1991年11月20日
Published Date 1991/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900469
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血管
睾丸(精巣)は妙な臓器である.陰嚢に収まっているのに陰嚢の血管や神経の支配を受けていない.その意味で横隔膜に似ていると言えよう.横隔神経は第4頸神経から起こり縦隔内部の長い道程を下がってくる.もともと頸部の筋の一部が,鰓弓(さいきゅう)付近に生じた心臓と肺が下降するときに道連れにされて,胸と腹の境に移往したのが横隔膜だからである.睾丸もほぼ第2腰椎の高さの腹膜後隙に造られ,のちに下降し鼠径管をくぐり,外陰部の皮下に移往した器官である.支配動脈が長い道程を下行してくる走路(図1)に,睾丸下降という現象が刻み込まれている.
睾丸の主要動脈はこのように,腹大動脈から下がってきた睾丸動脈(精巣動脈)であるが,排出管の精管を通じて骨盤内臓器と連絡しているため,骨盤内部で精管に分布する動脈(精管動脈)がそのまま精管に乗って遡行してくれば睾丸に到達できる(図1).
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