教室だより
近畿大学泌尿器科学教室
松浦 健
pp.737
発行日 1990年8月20日
Published Date 1990/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900153
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当教室は医大新設の続く1974年4月,大阪の南河内で当時39歳の栗田孝教授の単身着任とともに発足した.付属病院の診療は1975年5月より,八竹助教授(現旭川医大教授),秋山講師(現助教授)を加えた3人で開始された.初日の外来患者は1名であったと聞いているが,臨床教室の使命である診療,教育,研究の充実を目標に,当初は大阪大学より医師を充足し,1981年以来本学卒業の純粋培養入局者を次々と迎え,現在は総勢41名に成長した.この間付属病院の拡張に伴い,泌尿器科も60病床,外来患者1日80名へ増加した.また,近隣病院から泌尿器科開設依頼が相次ぎ,1983年以降13病院へ常勤医が赴任したため,大学内は常に10〜15名で遣り繰りせねばならず,そのうち少しは楽になるだろうと皆で頑張って15年が過ぎたが,相変わらず人手不足が続いている.
教室の自由な雰囲気に惹かれた入局者も多いが,自由放任,自由奔放に流れることなく厳しい臨床指導体制が敷かれている.病棟主任の監督下に5〜6人の主治医が入院患者を担当し,手術症例は外来および手術カンファレンス,教授回診などで二重三重のチェックを受ける.治療方針の決定に至るホットな討議には研修医も積極的な発言を求められ,トレーニングの場となっている.外来も一般外来のほか,結石,尿路変向,腎移植,神経の専門外来を設け,高水準の医療を供給している.
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