特集 泌尿器科医が知っておくべき感染症ベストコレクション
企画にあたって
泌尿器科医が知っておくべき感染症ベストコレクション
髙橋 聡
1
1札幌医科大学医学部 感染制御・臨床検査医学講座
pp.917
発行日 2024年11月20日
Published Date 2024/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413208246
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泌尿器科医が診療する機会が多い感染症は,診療機会の程度の差はあるものの,尿路感染症,性感染症,性器感染症です.これらの感染症は,泌尿器科医であれば他科から相談を受けた場合でも適切に対応できます(はずです…).これらの感染症を知っておけば,泌尿器科医としては十分です…が,本特集で取り上げた感染症を1つも経験したことがない,という泌尿器科医は果たしていらっしゃるでしょうか? もちろん,梅毒と性器ヘルペスは,性感染症として卒後教育プログラムなどでも取り上げていますし,基本的な知識はお持ちであろうと思います.
実は,本特集で取り上げた感染症は,泌尿器科医であっても,それぞれの症候を認めた場合には,必ず鑑別に挙げなければならない疾患です.術後の誤嚥性肺炎,急性胆囊炎,腹膜炎,腸管感染症,泌尿器科的処置後の菌血症に起因した感染性心内膜炎,化膿性脊椎炎,長期血管内カテーテル留置例でのカテーテル関連血流感染症,冬のインフルエンザなど,痛い目にあった先生も少なからずいらっしゃると思います.さらに,HPV感染症とHPVワクチンの重要性,わが国では見かけることはないかもしれませんが,泌尿器科医としてはぜひ知っておきたいのがビルハルツ住血吸虫症です.梅毒と性器ヘルペスは前述のとおりです.
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