連載 医薬系プレゼンテーションの技術―知れば,学べば,必ず上達!・第11回
プレゼンテーション・マナー
井上 貴昭
1,2,3
1原泌尿器科病院
2神戸大学泌尿器科
3国際プレゼンテーション協会(IPS)医学プレゼンテーションチーム
pp.991-995
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413207065
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あなたのマナーが心を開く鍵
やっとoral(口頭)presentationまでやってきた.今回は,プレゼンテーションの基本のマナーについてお話ししよう.マナーはとても大切だ.なぜなら多くの場合,あなたを招待してくれる,あなたを紹介してくれるそこに座っている方々は,あなたより目上の方,またはあなたに期待しチャンスをくれる方々だから.それにあなたのプレゼンがいくらすばらしい内容であると自信をもっていても,スタートを失敗しては意味がない.例えると,飛行機が空港の滑走路を加速し綺麗に飛び立つイメージだ.上手く離陸しないと,安定した飛行はできない.あなたのプレゼンも墜落しないために,綺麗に離陸しよう.そのためには,守るべきマナーがある.
聞き手はあなたが気づかない些細なことでもよく見ているものだ.あなたの態度,服装,髪型,話し方,癖などに至るまで意外と見ている.聞き手は最初に感じるあなたの印象で,信頼できそう? 好感がもてそう? 自信がありそう? などと客観的に判断しているものだ.もしあなたがムスッとした顔で演題に立ったとしたら,もしあなたのワイシャツがシワシワだったとしたら,もしあなたが小さな声で話し始めたとしたら,どう思う? 第一印象というのはとても大切なのだ.「プレゼンの内容が一番大切だ」ということを耳にすることがある.確かに内容も大切だ.でもあなたのマナーが良ければ,聞き手は最初から心の扉を開き,あなたの話を好意的に聞いてくれる.そう! さらにあなたのプレゼンは聞き手の感情に訴えかけ,記憶に残り,行動につながりやすくなるはずだ.
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