増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
9 腫瘍
抗がん剤の副作用対策
末梢神経障害
皆川 倫範
1
,
小川 輝之
1
,
石塚 修
1
1信州大学医学部泌尿器科学教室
pp.205-207
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205640
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疾患の概要
末梢神経障害は運動神経・感覚神経・自律神経の障害に分類される.運動神経が障害された場合,脱力などの筋力低下や,つまずくなどの運動障害として症状を認める.感覚神経が障害された場合,しびれや温覚の鈍麻として症状を認める.自律神経が障害された場合,冷感や無汗症などの症状を認める.
抗がん剤などの薬剤による副作用として末梢神経障害が起こる場合があり,特にパクリタキセル(タキソール®)やドセタキセル(タキソテール®)などのタキサン製剤,ビンクリスチン(オンコビン®)などのビンカアルカロイド製剤,シスプラチン(ランダ®など)やカルボプラチン(パラプラチン®)などの白金製剤では,高頻度に末梢神経障害による副作用(しびれや感覚障害や痛み)が発現する.この末梢神経障害の原因として,神経軸索の微小管の傷害や神経細胞の直接傷害などが関連しているとされている.
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