増刊号特集 泌尿器科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
1 尿路・性器の感染症
尿路感染症
急性(単純性)膀胱炎
高橋 聡
1
,
桧山 佳樹
2
,
市原 浩司
2
1札幌医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座
2札幌医科大学医学部泌尿器科学講座
pp.13-15
発行日 2016年4月5日
Published Date 2016/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205576
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疾患の概要
急性(単純性)膀胱炎は,発熱を伴わない尿路感染症である.多くは,若い女性が罹患し,主な原因菌は大腸菌,肺炎桿菌,腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)である.膀胱炎に特徴的な症状は,排尿痛,頻尿,残尿感,下腹部痛であり,肉眼的血尿がみられることもある.好発年齢は,10〜30歳台の女性で,尿路に基礎疾患がなくても発症する.性的活動性が発症に関連しているとされ,再発にも関連している.
再発を繰り返すようであれば,尿路の精査が必要になるが,尿路に基礎疾患を認めなくても再発を繰り返す場合がある.少なからず自然治癒している場合もあり,そのような経過も含めて多くの女性が罹患する感染症である.
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