増刊号特集 泌尿器科外来パーフェクトガイド—誰にでもすぐに使える!
8.腎不全
65.急性腎障害(薬剤性)—造影剤投与後に尿量の減少および浮腫をきたした患者です。鑑別診断と対処法について教えてください。
小松 康宏
1
1聖路加国際病院腎臓内科
pp.254-256
発行日 2015年4月5日
Published Date 2015/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205274
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Point
●造影剤投与後72時間以内に血清Cr値が前値より0.5mg/dL以上または25%以上増加し,他の原因がなければ造影剤腎症と診断される。尿量減少が生じた場合には造影剤腎症を含めた急性腎障害の鑑別診断と治療を行う。
●いったん発症した造影剤腎症に対する特異的治療はない。全身状態を安定させ,腎機能回復を待つが,稀に透析療法が必要になることもある。一時的に腎機能が低下しても,いずれ回復することが多い。
●造影剤腎症のリスクある患者に対して造影剤を使用する際には,予防策を講じる。
●急性腎障害の諸症状には対症療法を行うが,効果がなければ透析療法を検討する。
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