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特集 LOH症候群診療—最近の進歩
テストステロン補充療法による有害事象と前立腺癌のリスク
Risk and prostate cancer of testosterone replacement therapy
井手 久満
1
,
堀江 重郎
2
Hisamitsu Ide
1
,
Shigeo Horie
2
1帝京大学医学部泌尿器科学
2順天堂大学医学部泌尿器科学講座
キーワード:
テストステロン
,
前立腺癌
,
LOH症候群
Keyword:
テストステロン
,
前立腺癌
,
LOH症候群
pp.88-93
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205141
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要旨 前立腺癌においては,抗アンドロゲン療法が著効することから,従来,テストステロンは前立腺の発癌過程を促進する因子と考えられてきた。テストステロンの働きは骨や筋肉の成長,精巣,陰茎の発達や陰毛の発現に加え,前立腺の分化や機能にも重要な役割を果たしている。テストステロンは前立腺癌細胞の増殖において,明らかな刺激因子である。しかし,前立腺の正常上皮細胞では,テストステロンは分化を促進し,細胞の癌化というプロセスにおいて発癌に対し抑制的に働いている可能性がある。実際,血中のテストステロンレベルは前立腺癌の発症発生と無関係であり,LOH症候群に対するテストステロン補充療法は前立腺癌の発症に影響を与えない。
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