Urological Letter・560
尿管結石の治療上の新傾向
pp.787
発行日 1989年9月20日
Published Date 1989/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413205061
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1984年12月以来,薬物治療などで尿道から自然排出しない患者に対して,筆者らは硬性尿管鏡を使っての切石術(URS)を行っている。それ以来,外科的手術の必要性はどんどん減少してきた。治療を必要とする尿管結石患者は1984,1985,1986年はそれぞれ60,80,100例であった。この3年間にURSで成功した例はそれぞれ11.7%,14,8%,44.0%であって,外科的手術をしたのはそれぞれ88.3%,85.2%,56.0%であった。
筆者らは1987年に尿管結石に体外衝撃波破砕法(ESWL)を過用するに当たって,患者にうつ伏せの体位をとらせることによって手技を改良した。筆者らの上1/3の部の結石に対する成功率は96,9%,中1/3の部のは97.1%,下1/3の部のは96.4%であった。1987年に筆者らは242例の尿管結石を治療したが,URSで成功したのは44.2%,ESWLで成功したのは 38.0%,外科的手術をしたのは17,8%である。1988年には全体は283例であったが,そのうちURSを施したのは34.6%,ESWLを用いたのは50.9%o,外科的手術をしたものは14.5%であった。このことから外科的手術の必要性はずっと減ったが,URSの適用もまた滅ったことが明らかである。ESWLは非侵襲的治療法として第一に選択すべき方法である。
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