文献抄録
広範転移の前立腺癌に対する放射線の半身照射について
pp.384
発行日 1989年5月20日
Published Date 1989/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204972
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前立腺癌の広範性転移では,骨転移巣の疼痛のために患者は全身的消耗と多量の鎮痛剤の使用を余儀なくされることがしばしばである。このような症例に対して放射線の半身照射は,疼痛の寛解に速効があり,かつある期間持続する。
速効の原因は,800radsの1回照射で,99.5%の癌細胞を死滅させることにある。しかし半身照射は,被照射骨の造血機能にも致命的障害を与えが,非照射部の骨機能がこれを代償する。障害された骨機能は4〜6週で回復するので,この時点で必要ならば残りの半身に照射することも可能である。
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