Japanese
English
手術手技
後腹膜リンパ郭清
Retroperitoneal Lymph Dissection
河合 恒雄
1
Tsuneo Kawai
1
1癌研究会附属病院泌尿器科
1Cancer Institute Hospital
pp.1055-1059
発行日 1988年12月20日
Published Date 1988/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204881
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後腹膜リンパ郭清は各種泌尿性器腫瘍において行われるが,腫瘍ごとの適応,範囲,方法,手技はまだ確立されていない。腎癌についてはリンパ節転移のみの例は10%以下で転移の大部分は血行性転移である。かつ,リンパ節転移のある症例は血行性転移もあるのでリンパ節郭清の意義は少ない1)。腎盂尿管癌については方針がまだ確立されていない。膀胱癌については浸潤癌に郭清が励行されているが,範囲の合意がない。前立腺癌も範囲の合意はなくstaging operationの段階である。睾丸腫瘍については化学療法の進歩により郭清ではなく残存暉瘤の摘出という概念に変わった。陰茎癌についても鼠径ないし鼠径腸骨リンパ節郭清とされている一方で,適応や範囲の合意はなく症例も激減している。本稿では,従来郭清術の概念が確立していた睾丸腫瘍2)を選び,われわれの行っていた仰臥位正中縦切閉による経腹膜式郭清術を解説したいと思う。
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