交見室
恥骨後式前立腺摘除術の止血法,他
津川 龍三
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1金沢医科大学泌尿器科
pp.847-848
発行日 1988年9月20日
Published Date 1988/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204841
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本誌42巻6号の三軒先生他のご論文,興味深く拝見しました。私も出血点に直接操作を加えやすいことから,恥骨後式被膜下前立腺摘除術を好んで行っております。参考までに,当科での膀胱頸部の処理法を紹介させていただきます。
腺腫をとり終えたら,頸部においてまず6時の部,次に4時と8時の計3ヵ所を直ペアン鉗子で挟みます。次に4時と8時の鉗子の部でそれぞれZ字縫合止血を行い,糸を切らずにそのペアン鉗子で挟んでおきます。次に6時のペアン鉗子を持ち上げながら頸部を襖状に切除し,その部に3-0両端針付Coated VIC-RYLをかけ,同じ長さが残るように結紮します。その一方の針糸を8時まで,他の一方を4時までなるべく前立腺床部の尿道よりに針をかけながら連続縫合し,それぞれ到達したところで切らずにおいた糸と結びます。それらを左右上方など諸方向に持ち上げながら,前立腺床部の出血点の有無を確認,必要ならば止血処理します.最後に左右の糸を水平方向に引き,頸部の止血を確認し糸を切ります。
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