Japanese
English
特集 上部尿路結石の新しい治療法
再発予防に関する薬物療法—米糠療法ならびにクエン酸療法
Pharmacotherapy on Recurrent Renal Calculi
大川 順正
1
,
戎野 庄一
1
,
森本 鎮義
1
Tadashi Ohkawa
1
1和歌山県立医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Wakayama Medical College
pp.91-99
発行日 1986年2月20日
Published Date 1986/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204215
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はじめに
尿路結石症は,その治療の面で,最近,大きな変貌をとげつつあり,この特集にみられるように,新しいいくつかの治療法は,機器の開発と技術上の進歩とあいまつて,従来の手術療法に置きかわる時期を目前とするところにまで到つているようである。このことは,尿路結石に病める患者にとつては大きな福音であり,また,この疾患の外科的手術に,種々の考案を加えつつ遂行して来た泌尿器科の歴史にとつては,ひとつの大きなエポックと言うべきことでもある。わずらわしい尿路結石手術からの解放感と,他方,古き時代を懐しむ手術への郷愁が錯綜する泌尿器科医の心境もさることながら,新しい治療を推進する時代の動きは,過去を思い出す間もないほど目まぐるしく前進する感がある。
しかしながら,このような治療面での飛躍が到来しても,その再発に関する患者の悩みには,いまだに前進はみられていない。結石の疼痛発作への怖れ,非手術療法とは言え予測される腎への影響,そしてさらに,現状では未解決の高額医療費の問題など,様々な課題を考えるとき,今こそ,尿路結石の成因解明への努力と,その再発防止への熱意が,より一層必要とされる時代ではないかと思われる。
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