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特集 泌尿器科領域における腫瘍マーカー
腫瘍マーカーの分類と臨床応用
Clinical Significance of Tumor Markers in the Urological Tumors
町田 豊平
1
,
山崎 春城
1
Toyohei Machida
1
,
Haruki Yamazaki
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, The Jikei University School of Medicine
pp.359-363
発行日 1985年5月20日
Published Date 1985/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204034
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はじめに
腫瘍マーカー(tumor markers)という言葉が,臨床医学に登場したのは比較的最近のことであるが,この単純な言葉の意味が臨床的に理解されやすく,かつ切実であるため,今日では広く慣用される用語となつた。通常は,悪性腫瘍患者の血中,尿中,胸水,腹水あるいは唾液中などの体液中に出現する腫瘍に関連した物質,つまり癌の目印として検出される物質を腫瘍マーカーと呼んでいる。そして今日の癌の診断の世界では,X線撮影,CTスキャン,RI診断,超音波像,内視鏡などの形態学的診断法と並んで,生化学的な腫瘍関連物質を検索する診断法(腫瘍マーカーによる診断)は,早期診断や治療後のモニターとして欠かせない検査になつている。
ところで腫瘍マーカーとして,今日では実に多くの生化学的物質が登場しているが,すでに古くから悪性腫瘍と関連して出現する特異的な物質が診断に応用されていた。たとえば多発性骨髄腫におけるベンス・ジョーンズ蛋白,褐色細胞腫における尿中VMA,前立腺癌における酸フォスファターゼ,睾丸腫瘍におけるHCGなどである。
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