Japanese
English
手術手技
膀胱部分切除術
Partial Cystectomy
鈴木 騏一
1
,
沼沢 和夫
1
Kiichi Suzuki
1
,
Kazuo Numasawa
1
1山形大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Yamagata University, School of Medicine
pp.213-216
発行日 1983年3月20日
Published Date 1983/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203529
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はじめに
膀胱癌に対する膀胱部分切除術は,かつて広く用いられた術式であるが,最近はTURBtの普及により,表在性腫瘍はTURBtで治療可能となり,また深部浸潤癌に対しては再発,術後転移の点から膀胱全摘除術が用いられることが多くなり,部分切除術の適応例は減少している。しかし,膀胱機能を保ち,生理的な排尿を行えることや,性機能を保持できることなど利点があり,適応を選べば,根治的な捨て難い術式とわれわれは考えている。すなわち部分切除術の適応はかなり限定される傾向にはあるが,限局した非乳頭状腫瘍で,high stage, high gradeの症例では,TURBt施行に疑問が持たれ,また全摘除術の施行を躊躇する筈である。このようなときわれわれは腫瘍の周辺に1.5cm以上の健康部を付して切除することが可能であれば,迷わず部分切除を選択している。実際に全層標本でのわれわれの検索によれば,癌細胞の血管内侵襲や,リンパ管内侵襲が,B1以下の表在性腫瘍でも24%に認められ1),とくにhighgradeの症例に多い傾向が認められている1)。したがつて,pT2以上であればTURBtの適応はなく,上記の条件が満足されれば,部分切除術が適応となると考えている。
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