Japanese
English
手術手技
腎部分切除術
Partial Nephrectomy
長久保 一朗
1
Ichiro Nagakubo
1
1立川共済病院泌尿器科
1Department of Urology, Tachikawa Kyosai Hospital
pp.615-621
発行日 1982年7月20日
Published Date 1982/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203381
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
腎の一部を切除して結石や憩室をとり出す手術は,泌尿器科領域において比較的多用されている術式であり,恐らくWells(1884)1)が最初であろうとされている。最近になりこの腎部分切除術は両側の腎腫瘍やbench surgeryにまで適応範囲が拡がりつつある。しかし,腎部分切除術の適応は腎結石が最も多く,その術式もさまざまである。腎結石の手術は腎盂切石術ができれば,腎の実質を切除する部分切除術はなるべく避けた方がよい。しかし,腎内の結石の位置,大きさ,数などにより,腎部分切除術が必要となつてくる。結石が腎杯内に深く入り込んでいるか,腎杯内に多発しているような限局性の結石に対して,腎部分切除術が一般に施行される。腎結石の性質上,結石の再発などは腎の下腎杯に多く,腎部分切除の中で最も多いのは,腎の下極を切除する方法であろう。また,上極を切除する方法も比較的稀ではない。これらの腎の上極または下極を切除する方法は,かなり多くの報告がなされているし,その術式についても大差がないため簡単に述べることとし,今回はかなり大きなサンゴ状結石とそれに伴う多発性の結石について述べたいと思う。
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.