Urological Letter
膀胱鏡検査時の勃起の処理について/プリアピスムス後の勃起不能
pp.471,476
発行日 1980年5月20日
Published Date 1980/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202954
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ヘンリー・ボドナー博士は彼の著書Diagnostic andtherapeutic Aids in Urologyの中で,麻酔の方法とは無関係に,TURの最中に陰茎が勃起することがあり,TURの操作を行ない難くすることがあると記載している。かかる場合の勃起に対しては,生理学的説明はできていないようである。上記の書物の中で,ボドナー博士らは,そのような場合には,氷水で冷した濡れガーゼでペニスの根部を包めば勃起は解消する,と言つている。
筆者は,この勃起の問題はTURのときだけでなく,膀胱鏡検査の際にも起こることがあり,検査が思うようにできないことを経験している。この場合,患者の下肢を截石位からおろし,かつ恥骨結合の高さ以下に下げると,ほとんど即座に緩解する。緩解した後には再び截石位に戻し,尿道を拡張し,膀胱鏡検査を行なうことができる。勃起の緩解は,陰茎海綿体から浅在外陰部静脈(superficial enternal pudendal vein)およびサフェナ静脈への急速な静脈血の灌流のためであろうと思う。
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