シンポジウム 血管カテーテル法による診断と治療・1
副腎静脈カテーテル法
天野 拓哉
1
Takuya Amano
1
1九州大学医学部泌尿器科学教室
pp.50-52
発行日 1979年1月20日
Published Date 1979/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202678
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副腎静脈カテーテル法は,副腎静脈撮影および副腎静脈よりの採血を目的とし,各種副腎疾患の診断に利用されている。
副腎静脈撮影は,aldosteronomaのような小さな副腎病変まで形態的にとらえることができるのがその特徴であり,術前の局在診断に説得力のある所見を与えてくれる。しかし,解剖学的理由から,特に右副腎静脈へのカテーテル挿入が困難な場合があることは周知の通りであり,また,カテーテルが挿入できても,診断的価値のある所見が得られない場合もある。われわれが原発性アルドステロン症およびクッシング症候群に対して行なつた副腎静脈撮影の成績は,第1表に示したごとく,診断的価値のある所見を得られたものは,右副腎で70%,左副腎で85%となつており,諸家の報告と比較しても,このあたりが副腎静脈撮影の限界かと考えられる。
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