Japanese
English
綜説
尿路の発癌物質
Carcinogens for the Urinary Tract
吉田 修
1
Osamu Yoshida
1
1京都大学医学部泌尿器科学
1Department of Urology・School of Medicine・Kyoto University
pp.13-20
発行日 1976年1月20日
Published Date 1976/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202087
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はじめに
一般に尿路とよばれる腎杯,腎盂,尿管,膀胱,尿道より発生する癌にはいろいろな意味で共通した要素が多い。尿路の発癌物質については,膀胱癌のそれを論ずることにより尿路癌の発癌物質を論ずることになるといつても本質的に誤りではないといえよう。
さて膀胱の発癌物質について解説する場合,いろいろな面からの試みが可能であろうが,筆者は次のことを念頭において本文を書いた。第一は膀胱の化学発癌研究の歴史を記述し,その研究の流れの中に臨床医学がはたした役割と今後はたすべき課題をくみとることができるようにすること。第二は膀胱の発癌物質について,泌尿器科医にとつて必要と思われるものを記述すること。第三はこれらの発癌物質を用いての実験モデルについて検討し,いかなるものが尿路癌の臨床において必要とされているかについて考察することである。
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