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緒言
泌尿器科外来診療時尿沈渣に少数ではあるが円柱を認めることはまれではない。これら少数の円柱の意義については日常診療に際してなにかすつきりしないものを感じさせられる。尿中の円柱や細胞類の定量的算定はAddis (1925)1)の報告以来Addis countとして少数の円柱は健康者にもみられると記載されている2)。本邦でも尾前(1955)3),奥ら(1956)4),高柳(1959)5)らの報告があり,健康者でも12時間尿で0〜1万の円柱がみられるという。井村ら(1961)6)は健康な青年女子96例中2例に円柱を認め,林ら(1963)7)は健康者37例の24時間尿について14例には円柱を認めなかつたが,21例には10万以下,2例には10万〜20万の円柱を認め,入院患者78例についてはこれを3群に分けた12時間尿で15〜30%に円柱を認めている。加藤ら(1965)8)は円柱が1個でもみられた時はなんらかの異常が腎に存在すると考えて再検,あるいは更に他の検査をする必要があるといつているが,実際に円柱が1個でもみられた場合は完全に健康者であるか疑問である。また円柱の有無は内科的腎疾患との鑑別上も重要であるので,円柱陽性例について簡単ではあるが集計,検討を試みた。
Studies on 160 cases with positive urinary cast from the out patient clinic by classifiing them in nephritis-like group (nephritis and suspected cases and pyelonephritis and suspected) 51 cases and other diseases group 109 cases were done and the following results were obtained.
1 ) There were rather many cases showing positive urinary casts not belonging to the nephritis-like group.
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