文献抄録
偏腎性疾患の腎摘除と高血圧症
pp.928
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201713
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Goldblatt(1934)のラットによる偏腎性高血圧症の実験成果以来,各種腎疾患に伴う高血圧症例に偏腎摘除が行なわれているが,その成功率は報告者により10%から70%とかなりの幅がみられる。最近では降圧剤の普及につれて,偏腎摘除の意義が更に問い直されている現状であるので,著者らは47例の腎疾患を伴う高血圧症の偏腎摘除後の経過を分析解説している。症例は女性21名,男性26名で,年齢は15歳から63歳にわたつている。症例中35名(73%)が術前に降圧剤を服用していた。症例の偏腎疾患は腎血流障害16例,水腎症10例,慢性腎盂腎炎9例,腎結核5例,腎腺癌5例,発育不全腎2例である。術後の血圧は立位・臥位について拡張期・収縮期圧を計測した。効果判定については拡張期圧90mmHg以下,収縮期圧140mmHg±20を著効例とし,拡張期圧90〜110mmHgまでを有効例とした。
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