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特集(増刊号の)5 尿路・性器疾患の化学療法(感染症と腫瘍)
Ⅲ.尿路・性器悪性腫瘍の化学療法
腎癌の化学療法
Chemotherapy for Renal Cancer
高井 修道
1
Shudo Takai
1
1横浜市立大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Yokohama University, School of Medicine.
pp.189-192
発行日 1972年12月25日
Published Date 1972/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201531
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まえおき
悪性腫瘍に対しては早期診断と根治的全摘除術がもつとも良い成績をあげている。このことは泌尿器系の悪性腫瘍についてもいえるが,腎癌は初期の根治可能の時期には自覚症状がなく,初発症状である肉眼的血尿の現われるころには腫瘍は相当大きくなり腎周囲に進展し始めていることが多く,したがつて腎癌においては血尿は"clinically early, but pathologically late"とまでいわれている。それゆえ腎癌における手術療法の予後は他の部の悪性腫瘍のそれと比較して決して良好とはいえない。手術療法の成績を向上するためには手術術式そのものの改良,たとえば支配血管をまず結紮切断して腫瘍細胞の血行性播種を防ぐとか,術創に腫瘍細胞を散布しないようにするとか,その他種々の工夫がなされているが,このほかに術前後における放射線療法,化学療法を併用することにより局所,全身転移を減少し予後の向上を計ることが試みられている。
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