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特集(増刊号の)4 泌尿器と関連領域の症候レントゲン診断
Ⅱ.腹痛と尿路通過障害性疾患のレ線像
尿路通過障害性疾患のX線像—尿路奇形,上部尿路結石症,腎下垂症
Roentgenogram of Urinary Disturbance
杉浦 弌
1
Hajime Sugiura
1
1名古屋市立大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, Nagoya City University Medical School
pp.69-83
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201294
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Ⅰ.尿路奇形(Malformation of urinary tract)
尿路通過障害性疾患のうち尿路奇形によつて腹部痛を来たす代表的なものは先天性水腎症である。その他の疾患としては嚢胞腎,馬蹄腎,交叉性腎変位,腎の腰部位置異常,骨盤腎,重複腎盂尿管,先天性巨大水腎,水尿管症および尿管瘤が挙げられる。
先天性水腎症の自覚症状は疼痛および血尿で,ときに腎の腫瘤が触知される。この疼痛は本症の原因たる尿通過障害,すなわち先天性尿管狭窄,異常血管による尿管の圧迫,先天性の腎盂尿管接合部の異常などによるものであつて,その性質は腹部あるいは腰部の鈍痛,圧痛および重圧感として自覚される。ときに疝通発作をみることがある。この場合には大体において開通性の水腎症であり,しばしば尿潮に伴つてあらわれる。
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