見聞記
Santa Barbara移植会議
中村 宏
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科
pp.655-658
発行日 1967年7月20日
Published Date 1967/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200212
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1967年1月11日から3日間,Cali-forniaのSanta BarbaraのBilt-more Hotelで移植会議が開かれた。議長はUniv.of California, LosAngelesのDr.William P.Long-mire, Jr.でUCLAが世話役を務めていた。Santa Barbaraは絵のように美しい避寒地として有名な所で,1月でも日中は65-70°F (約18−21℃)位で,水着姿も見受けられ,冬期に会議を行なう絶好の場所のように思われた。この会議は定期的に開かれる性格のものではないのだが,現在アメリカ合衆国では,移植の研究に莫大な研究費が投じられており,こういう会議を開く費用も容易に捻出され,移植の研究は始まつてから未だ日が浅く,頻繁にこういう会議を持つてはお互いに新知見を交換し,研究の無駄を省くようにしているというのが実情のように察せられた。正直な所,移植の研究の行なわれている施設数,規模に比して会議や学会の数の方が多過ぎて,演題の内容に新鮮味を欠くものも多く見られる。今回の会議でも,昨年秋に開かれた国際腎臓学会や外科学総会で発表されたものとほとんど同じ内容のものも多かつた。
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