書評
「Minds診療ガイドライン作成の手引き 2014」—福井次矢,山口直人 監修/森實敏夫,吉田雅博,小島原典子 編
長谷川 友紀
1
1東邦大・社会医学
pp.887
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200019
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本書は,2007年の旧版発行以来,診療ガイドライン作成者にとって標準的なテキストとして用いられてきた。7年ぶりの改訂であり,診療ガイドラインに関する最近の動向に対応すべく大幅にページ数を増して内容の充実を図っている。公益財団法人日本医療機能評価機構は,1995年の設立以来,病院の第三者評価の実施,医療事故の情報収集・分析,産科医療補償制度(無過失保険制度)など,医療の質向上を目的とした諸事業を行っている。Minds(EBM普及推進事業)は,日本医療機能評価機構の1部門として,診療ガイドライン作成の支援,評価,普及などを行っている。本書は,実際の診療ガイドラインの作成支援,評価などに豊富な経験を有するMindsのスタッフが中心になり作成された。
EBM手法に基づく診療ガイドラインは,医療の標準化を図るための有力な手法である。日本では2000年ごろより普及し始め,当初は厚生労働省の科学研究費などにより作成が支援され,最近では学会などの自主的な努力により,年間20〜30本が作成され,公開されている。累計では300本を超え,日常遭遇する主要な疾患については,ほぼ整備されていると考えてよい。また,学会では評議員など,将来の活動の主体となるであろう多くの若手メンバーがガイドラインの作成にかかわるようになった。作成の主体となる学会も,作成メンバーの教育研修を継続して行うほか,COI(利益相反)の管理など,社会の要請にいかに応えながら作成を進めるかが課題になっている。
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