特集 泌尿器科診療ベストNAVI
Ⅱ 疾患・病態の診療
7 腫瘍
膀胱腫瘍
091 膀胱腫瘍(悪性腫瘍)
松本 一宏
1
,
早川 望
1
1済生会中央病院泌尿器科
pp.263-264
発行日 2013年4月5日
Published Date 2013/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413103160
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1 概念・病因
膀胱癌は,組織学的には尿路上皮癌が全体の90%を占める。そのほかに,扁平上皮癌および腺癌がそれぞれ数%を占める。膀胱癌の臨床的特徴として,空間的多発性(異所性多発)および時間的多発性(再発を繰り返す)が挙げられる。年齢別にみた膀胱癌の罹患率は,男女とも60歳以降で増加し,男性の罹患率は女性の約2~4倍である。喫煙は膀胱癌のリスク要因であり,非喫煙者に比べ2~4倍の発症リスクがある。また,職業性曝露として,合成化学染料も確立したリスク要因である。そのほか,フェナセチンやシクロホスファミドの連用も医原性の発癌要因として知られている。
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