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特集 薬剤投与と泌尿器科的副作用―泌尿器科医の必須知識
肉眼的血尿をきたす薬剤
Drugs which show gross hematuria
川本 進也
1
,
竹田 徹朗
1
Shinya Kawamoto
1
,
Tetsuro Takeda
1
1獨協医科大学越谷病院腎臓内科
キーワード:
出血性膀胱炎
,
薬剤性急性間質性腎炎
,
抗凝固・抗血小板薬
Keyword:
出血性膀胱炎
,
薬剤性急性間質性腎炎
,
抗凝固・抗血小板薬
pp.547-550
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102848
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要旨 肉眼的血尿をきたす薬剤としては出血性膀胱炎をきたすシクロホスファミドが知られているが,そのほかにイホスファミド,シクロスポリン,トラニラスト,ペニシリン系抗生剤,漢方薬などがある。出血性膀胱炎はその機序により直接的粘膜障害によるものと好酸球浸潤を伴うアレルギー性膀胱炎の2つが考えられている。シクロホスファミドやイホスファミドは前者であり,その代謝物であるアクロレインによる直接的膀胱粘膜障害と考えられている。トラニラストや漢方薬は後者と考えられている。出血性膀胱炎以外に腎臓からの出血でも肉眼的血尿はみられ,薬剤が関与するものに急性間質性腎炎と急速進行性糸球体腎炎がある。前者は抗生物質や非ステロイド系消炎薬が多く,後者は抗甲状腺薬であるプロピルチオウラシルでの報告がある。さらに,ワルファリンをはじめとする抗凝固薬・抗血小板薬の効果増強時に出血傾向をきたし,特発性腎出血を引き起こし肉眼的血尿を認めることもある。
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