特集 こんなときどうする!?―泌尿器科手術のトラブル対処法
Ⅳ 開腹手術
■腎盂形成術
077 術後に水腎症が改善しない
岩村 正嗣
1
Masatsugu Iwamura
1
1北里大学医学部泌尿器科
pp.213-214
発行日 2011年4月5日
Published Date 2011/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102325
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Q 腎盂形成術を施行した症例。術後に水腎症が改善しない。
[1]腎盂形成術の目的
腎盂尿管移行部狭窄による腎盂形成術の目的は,閉塞を解除することにより腎盂内圧を低下させ,側腹部痛などの随伴症状を改善することと,腎機能の悪化を阻止することである。水腎症の改善はあくまで腎盂内圧の低下による副次的な効果であり,その改善の程度は腎盂・腎杯のコンプライアンスに依存している。手術に際しては,水腎症の改善が腎盂形成術の主な目的ではなく,特にコンプライアンスの低下した症例では,閉塞が解除されても水腎症は残存することを患者とともに十分理解しておく必要がある。
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