書評
『外科の「常識」―素朴な疑問50』―安達洋祐 編
森 正樹
1
1大阪大学大学院・消化器外科学
pp.688
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101797
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これまで外科学の中で当たり前と考えられてきたことに対し,本当にそうか? という素朴な疑問を投げかけ,それを多くの医学論文で検証し,その成果を本にまとめてこられたのが安達洋祐先生です。安達先生は医学という硬くなりがちな分野に,柔らかい発想で新しい感覚の本を提供し続けています。これらの本は多くの若い医師の心をつかみ,愛読する外科医が急増していると聞いています。その安達先生がまたもやってくれました。雑誌『臨床外科』の「外科の常識・非常識:人に聞けない素朴な疑問」という連載を1冊の本にしたのです。
本書は今までの安達先生の本と同様に,とてもインパクトが強く,なるほどと思わずひざを打ちたくなるところが多々あります。序文に記されているように「将来,外科の歴史を振り返るときの『里程標milestone』になると自負している」ことが,うなずけます。本当に痒いところに手が届く内容で,若い医師だけでなく,指導者にもぜひ一読していただきたいと思います。そして,間違いなく読む価値のある本です。
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