書評
「続 アメリカ医療の光と影―バースコントロール・終末期医療の倫理と患者の権利」―李 啓充 著
向井 万起男
1
1慶應義塾大学・病理学
pp.511
発行日 2009年6月20日
Published Date 2009/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101767
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李啓充氏は『週刊文春』で大リーグに関する素晴らしいコラムを6年間連載されていた。その後,みごとな大リーグ本も出されている。で,世間には,氏のことを稀有な大リーグ通としてしか知らない人が多いようだ。それが悪いというわけではないけれど。
だが,医療界で働く私たちは違う。氏が大リーグ通として広く知られるようになる前に書かれた『市場原理に揺れるアメリカの医療』(1998年,医学書院)を忘れることなどできない。その分析の鋭さ,読む者を引きずり込む圧倒的な筆力,随所に散りばめられた粋な大リーグ関連ネタ。氏の鮮烈なデビューだった。この本を読んで氏のファンになった医療人は多いはずだ。その後も,氏はアメリカ医療の光と影を描きつつ日本の医療に厳しい問題提起をするという本を出し続けてきた。そして,本書。
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