特集 ここが聞きたい―泌尿器科処置・手術とトラブル対処法
Ⅱ.泌尿器科手術
D.開腹手術
■尿道の手術
【尿道外傷に対する尿道形成術】
102.高所で作業中に足を滑らせて会陰部を強打した患者です。尿道より出血は続くものの,尿が出ず受診しました。尿道カテーテルは入らず尿道完全断裂と判断し,応急処置として局所麻酔下に膀胱瘻を造設しました。今後の治療方針について悩んでいます。どのように対処すればよいでしょうか。
山本 泰久
1
1山本泌尿器クリニック
pp.318-319
発行日 2007年4月5日
Published Date 2007/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101179
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尿道損傷は,大きく球部-膜様部にかけての前部尿道損傷と,膜様部-前立腺部にかけての後部尿道損傷に分類される。設問の症例のように会陰部を強打した場合は,最も厄介である後部尿道の完全断裂が生ずることがある。後部尿道損傷は狭窄,尿失禁,性機能障害などの合併症に苦慮することが多い。また,適切な治療を行わないと手術を繰り返したりするなど泥沼にはまり,患者のQOL(quality of life)を大きく損なうことになる。
まず正確な診断が必要である。自信がなければ膀胱瘻を留置したのち,経験豊富な泌尿器科医に紹介するべきである。
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