画像診断
一部が腎細胞癌と思われた萎縮腎
井上 博夫
1
,
三村 裕次
1
,
石塚 修
1
1信州大学医学部泌尿器科
キーワード:
腎腫瘤
,
萎縮腎
,
腎摘除術
Keyword:
腎腫瘤
,
萎縮腎
,
腎摘除術
pp.426-427
発行日 2006年5月20日
Published Date 2006/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100678
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患 者 48歳,女性。
主 訴 左腎腫瘤。
経 過 2002年10月,大動脈弓遠位から総腸骨動脈に及ぶ解離性大動脈瘤(Stanford B型)を発症,保存的に治療し以後近医で経過観察を受けていた(図1)。
2004年11月のCT(図2)で左腎は全体に萎縮しているが,上極に造影効果を認める径2cmの腫瘤を認めた。MRI(図3)上もCTと同様の所見で腎細胞癌が疑われ,当科へ手術目的で紹介となった。他に転移を疑う所見はなく臨床病期T1aN0M0と診断。左腎はほぼ無機能であることから腎摘除術を行うこととした。2005年5月,手術目的で入院し,腹腔鏡下左腎摘除術を施行した。術後経過は良好で,術後8日目に退院した。病理組織診断では左腎全体は腎硬化症を呈しており,腫瘤状に見えたものは残存した正常腎実質であった。
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