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超音波ガイド下の囊胞穿刺,吸引および硬化剤注入は,腎囊胞に対する治療の第一選択となることが多い。22G穿刺針やピッグテールカテーテルを留置して行う場合が多いが,22G穿刺針のみだと内容液の排出が不十分であったり,ある程度内容液を吸引してくると囊胞壁を損傷する危険がある。一方,ピッグテールカテーテルやsingle Jカテーテルを使用すると吸引,造影および硬化剤は確実にできるものの手技的にも煩雑でガイドワイヤーなどの材料費もかさむ。経皮的胆管ドレナージチューブ(図A)は弾力があり囊胞内に留置した際に囊胞壁損傷の危険性はなく,先端3cmの部まで多孔式となっており(図B),ドレナージ性にも優れている。本来は胆管ドレナージ用に開発されたが腎囊胞穿刺に使用しても非常に有用である。
患者を仰臥位とし上腕を頭側に伸ばし,腹部に枕を入れ,皮膚をイソジンにて十分に消毒する。1%キシロカインによる局所麻酔後,3.5 MHz超音波ガイド下に22G穿刺用針にて嚢胞を穿刺する。囊胞液の性状を観察し約10mlを細胞診に提出する。囊胞のサイズにもよるが可及的に囊胞液の吸引を行い(この時点で完全な吸引は目指さない),吸引した量と同量の造影剤を注入し囊胞造影を行い,壁の不整や尿路との交通の有無をチェックする。0.018インチガイドワイヤー(ピアノ鋼線)を挿入する。皮膚刺入部に抵抗があるため18G針にて皮膚を切開する。PTC-D用のドレナージ針(19G×270mm)(八光商事)をX線透視下に挿入し内針を抜去する。内容液を造影剤が完全に消失するまで吸引し(ピッグテールカテーテルと同様に大きな囊胞内ではドレナージチューブ先端の位置を微調整しながら吸引する),硬化剤を注入し(われわれはミノサイクリン100~200mgを使用),ドレナージチューブを抜去する。
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